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こんにちは、FUNLOGYの山川です。前回の記事【イヤホンのノイズキャンセリングとは?パッシブ、アクティブの違いも紹介】は参考になりましたか?
完全ワイヤレスイヤホンを使用する方の中には、ウェブ会議や音声通話など通話機能を頻繁に使用する方も多いでしょう。完全ワイヤレスイヤホンにはマイクが搭載されている場合がほとんどで、そのマイクを利用して通話ができます。
この記事では、完全ワイヤレスイヤホンに備わっている通話機能とはどのような仕組みなのか。また、通話機能を重視する場合の完全ワイヤレスイヤホンの選び方を、詳しく説明します。
ワイヤレスイヤホンでできるハンズフリー通話とは
完全ワイヤレスイヤホンのハンズフリー通話は、イヤホンのマイク機能を活用したものです。運転中や作業中などの手が離せないときにも、イヤホンの操作だけで通話できるという便利さがあります。
あらかじめスマートフォンにイヤホンを接続しておけば、通話がかかってきた際にイヤホンの通話ボタンを押すだけでイヤホンによる通話が可能です。
また、イヤホンで音楽などを視聴していた場合でも、通話がかかってきた場合には通話へ自動で切り替わるなど、特別な操作は必要ありません。
通話ボタンはイヤホンの機種によって操作が異なりますが、「右のイヤホンを長押しする」「ワンタップする」などの、とっさにできる簡単な操作である場合がほとんどです。詳しい操作方法については、機種ごとの説明書を確認しましょう。
ハンズフリー通話の仕組み
ワイヤレスイヤホンのハンズフリー通話は、Bluetooth規格の通信によって行われています。普段音楽などを聞く場合には、スマートフォンとワイヤレスイヤホンをBluetoothという無線規格で接続することで、スマートフォンからの音声情報を受信しています。
Bluetoothはペアリングした機器同士で双方向のやりとりができるため、音声を受信するだけでなく、イヤホン側から送信することもできます。そのため、ワイヤレスイヤホンのマイクから集音した音声情報をスマートフォンへ送信することで、ハンズフリーでの通話が可能になっているという仕組みです。
通話機能のあるワイヤレスイヤホンの選び方
通話機能を重視する場合には、
- イヤホンの種類
- イヤホンの形状
- 対応コーデック
- イヤホンの機能
- 接続の安定性
という5つの点が重要になります。この5つのポイントをそれぞれ説明します。
1.イヤホンの種類
通話重視のワイヤレスイヤホンを選ぶ1つ目のポイントは、イヤホンの種類です。イヤホンの種類には一般的な両耳につけるタイプと、片耳だけにつけるタイプの2種類があります。
1-1.両耳タイプ
一般的な両耳につけるタイプのイヤホンです。両方のイヤホンが有線で繋がれているタイプが「左右一体型」で、通信接続が安定しています。
左右の背面部分にマグネットがついているものだと、使用しないときにはイヤホンを首元に固定でき、紛失防止に便利です。
マイクの位置が首元にある製品の場合、雑音が入りやすい反面、マイクのサイズが大きく性能は高い場合が多いです。
左右のイヤホンが有線で繋がっていないものは「完全ワイヤレス」と呼ばれます。ケーブルレスで使用できるため、スポーツ中や通勤時などにもケーブルが邪魔になりません。
マイクの位置はイヤホンの端部に設置されている製品が多く、口元に近いので、比較的雑音の入りにくい通話ができます。
1-2.片耳タイプ
両耳タイプに対して、片方の耳にだけつけるイヤホンを片耳タイプと分類します。片耳タイプのイヤホンはマイクが口元に伸びているため、より声を集音しやすく周囲の雑音が入りにくい、通話に適したものになります。
また、片耳のみイヤホンを装着しているため、空いているもう片方の耳で周囲の音を聞くことができます。運転中や作業中などに電話がかかってくることが多い方におすすめです。
2.イヤホンの形状
通話重視のワイヤレスイヤホンを選ぶポイントの2つ目は、イヤホンの形状です。イヤホンの形状にはインナーイヤー型、カナル型、耳掛け型、骨伝導型の4種類があります。それぞれの特徴について説明します。
2-1.インナーイヤー型
インナーイヤー型は耳の穴に引っかけて使用するタイプのイヤホンです。耳を圧迫しにくいので、長時間使用しても疲れにくいのが特徴です。周囲の音が聞こえやすい反面、音漏れしやすいというデメリットもあります。
2-2.カナル型
カナル型は耳栓のような形をしたイヤホンで、耳の穴にピッタリ収まるように設計されています。音楽を聴く際に低音が伝わりやすいように設計されていますが、周囲の音を聞き取りにくく、通話をする際には低音がそこまで必要ではないため、あまり適したモデルとは言えません。
2-3.耳掛け型
耳への負担が少ないのが耳掛け型のイヤホンです。カナル型などでは長時間使用すると耳が痛くなるため、耳の穴へイヤホンを入れない耳掛け型のタイプを好む方もいます。耳をふさがないため周囲の音が聞き取りやすい反面、音漏れがしやすいことに気をつけましょう。
2-4.骨伝導型
骨伝導型は振動によって、耳ではなく頭蓋骨から直接神経に音声を伝達するタイプのイヤホンです。まったく耳を塞がないため、周囲の音を聞く必要がある場合には最適なタイプですが、独特の振動やくすぐったさがあり、気持ち悪くなるという方もいます。危険性はありませんが、向き・不向きのあるタイプと言えるでしょう。
3.対応コーデック
通話重視のワイヤレスイヤホンを選ぶポイントの3つ目は、対応コーデックです。コーデックとはスマートフォンからイヤホンへ音声情報を送信する際に、データを圧縮する形式のことです。
通常はSBC、AAC、aptといった形式で圧縮されますが、最近では通話性能に特化した「aptX Voice」というコーデックがあります。通話音声の明瞭化のために設計され、Androidの最新機種では対応モデルも登場する予定です。
4.イヤホンの機能
通話重視のワイヤレスイヤホンを選ぶポイントの4つ目は、イヤホンの機能です。ワイヤレスイヤホンには多くの機能がありますが、中でも通話機能に関連の深い便利な機能は「CVCノイズキャンセリング」と「自動ペアリング」です。それぞれの機能について説明します。
4-1.CVCノイズキャンセリング
CVCノイズキャンセリングとは、通話をする際にマイクが集音した余計な雑音を除去し、相手によりクリアな音声を伝える機能です。一般に言われている「ノイズキャンセリング」は、音楽を聴く際に周囲の雑音を聞こえなくしてくれるものですが、こちらはアクティブノイズキャンセリングと呼ばれ、CVCノイズキャンセリングとは区別されている点に注意しましょう。
4-2.自動ペアリング
自動ペアリング機能は、一度接続したことのある機器であれば、電源を入れた際に自動でペアリングを行う機能です。例えばスマートフォンとのペアリングが一度済んでいれば、次回からはイヤホンの電源を入れただけで自動的にスマートフォンとの接続がされるというイメージになります。
ケースに入れるタイプのイヤホンであればケースから取り出すだけで電源が入るので、その際自動的にペアリングされ、ケースに戻したときには自動的に接続が解除されます。接続・解除に都度スマートフォンを触る必要がありません。
5.接続の安定性
通話重視のワイヤレスイヤホンを選ぶポイントの5つ目は、接続の安定性です。ワイヤレスイヤホンを使用して通話をする際には、相手方がいるため急な切断があると迷惑をかけてしまいます。そうした問題を避けるためにも、スマートフォンとイヤホンとの接続に安定性のあるモデルが重要です。
接続の安定性はBluetoothの規格に依存し、Bluetoothバージョン4.0以上であれば安定がしやすくなります。ワイヤレスイヤホンを購入する際には、Bluetoothのバージョンが古くないモデルを選択しましょう。
通話に適したイヤホンで、会議やコミュニケーションを円滑に
いかがでしたか?今回は完全ワイヤレスイヤホンの通話機能と、その選び方について解説しました。
通話は音声だけで伝えるコミュニケーションだからこそ、双方に聞き取りやすく、心地の良い音声で話せると良いですね。ぜひこの記事を参考に、イヤホンを選んでみてください。
それでは、次回もどうぞよろしくお願いいたします。
FUNLOGY
山川