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こんにちは、FunLogyのカナです。
プロジェクターを選ぶときには、明るさや解像度などをチェックして購入する方が多いと思います。同じように【投影方式】をチェックしたことはありますか?

プロジェクターには内部の構造によって、

  • LCD
  • DLP
  • LCOS


という3種類の投影方式があります。
投影方式が異なるとプロジェクターの強みが違ってくるので、ぜひチェックしてみてください。


プロジェクターの投影方式、LCD・DLP・LCOSとは?

海の動画を投影するプロジェクター

プロジェクターには3種類の投影方式があり、【LCD】【DLP】【LCOS】と分けられます。
投影方式の違いとは何かというと、一言で説明すれば「プロジェクターの内部構造の違い」です。

どの方式を選んでも見られる映像に違いはありませんが、

  • カラーの見え方
  • 連続使用できる時間
  • 価格帯


などに違いがあります。
自分の好みや使用環境に応じた投影方式のプロジェクターを選ぶことで、よりストレスのない映像を見たり、プロジェクターを長持ちさせたりすることができます。


LCDプロジェクターとは

LCDプロジェクター

LCDとは「Liquid Crystal Display」の略で、日本語に訳すと「液晶ディスプレイ」です。LCDプロジェクターとは液晶ディスプレイプロジェクターであり、「液晶方式」「液晶プロジェクター」または「透過式」などと呼ばれることもあります。

LCDプロジェクターの構造


LCDプロジェクターは、

1.ランプが光を放つ。
2.光がダイクロックミラーという特殊な鏡に当たり、赤(L)・緑(G)・青(B)の3色に分けられる。
3.分けられた光が、専用の液晶パネルで透過される。
4.プリズムに集合し、合成される。

大まかに分けるとこの4つの工程によって、映像を作り出しています。

家庭用の据え置き型に多いタイプ


LCDプロジェクターは業務用よりも家庭用として使用され、中でも据え置きタイプのプロジェクターに多く見られます。
部品のコストが安く、動きが滑らかで色が自然なため、価格帯の低いプロジェクターでも動画や映画などを美しく投影することができ、ホームシアターの入門機材として広まりました。

LCDプロジェクターのメリット


LCDプロジェクターのメリットは、以下のようなものが挙げられます。


種類が豊富で選びやすい

LCDプロジェクターは多くの製品が市場に出回っているため、選択肢が豊富です。明るさ解像度といった機能面はもちろん、価格帯デザインなどからも好みの機種を絞ることができます。

色の表現が得意

LCDプロジェクターの強みは、カラーの再現性が高いことです。中間色の表現に長け、映像の情感を損ねません。

LCDプロジェクターのデメリット


LCDプロジェクターのデメリットは、以下のようなものが挙げられます。


長時間の連続使用に弱い

LCDプロジェクターは長時間、休みなしに投影を続けると、内部の熱で液晶が焼けてしまい寿命が早まります。液晶焼けが起こると、液晶に着いたシミがそのまま画面に投影されるため、映像にシミや汚れのようなものが見えるようになります。
LCDプロジェクターを使用する際は、2~3時間に一回、電源を切って本体の熱を冷ましましょう。

埃が入りやすい

プロジェクターには内部の熱を冷ますための排気口があります。そのため本体は密閉されておらず、隙間があり、小さな塵や埃が入り込んでしまうことがあります。
LCDプロジェクターの場合、この塵や埃がさらに内部の液晶パネルにまで入り込んでしまうと除去ができず、映像にごみが映り込む原因になります。
保管の際はできるだけ箱に戻す床への置きっぱなしを避けるなどの工夫をすることで、埃の侵入を防げます。

黒の表現がやや苦手

LCDプロジェクターは色の表現が得意ですが、黒、特に真っ黒の表現に関しては他の方式のほうが得意な傾向にあります。
真っ黒な部分がわずかに灰色っぽくなる「黒浮き」と呼ばれる現象があり、気になる方には気になるかもしれません。

経年劣化がある

液晶は経年劣化によって色ムラを発生させる場合があります。長時間の連続使用を避けることで、可能な限り長持ちさせるようにしましょう。

格子状の影が気になる場合がある

構造上、液晶内部の回路も光に乗って透過されるため、映像を間近で見ると格子状の影が見える場合があります。ただし通常は意識せずに見えるものではありません。テレビが格子状に見えて気になるという方は、同様に見えてしまう可能性があります。


DLPプロジェクターとは

窓辺に置かれたDLPプロジェクター

DLPとは「Digital Lighting Processing」の略で、1987年にアメリカのテキサス・インスツルメンツ社が開発した映像技術です。プロジェクターに採用されるようになったのは1996年からですが、現在では映画館の映写機にも採用されています。
DLPチップと呼ばれる四角いチップに、DMD(Digital Micromirror Device)という人間の髪の毛の先ほどの微小な鏡を敷き詰め、その鏡をデジタル制御によって高速で傾けることにより、光を反射させて映像を作り出します。

DLPプロジェクターの構造


DLPプロジェクターは、

  • DLPチップを1つだけ使う構造
  • DLPチップを3つ使う構造


の、2種類に分けることができます。

DLPチップを1つだけ使う構造(1チップ方式)


光の3原色でできたカラーホイールを高速回転させることで、人間の目がもつ残像効果を利用して、映像をカラーに見せる技法です。

1.ランプが光を放つ。
2.光がレンズ1に当たり、整えられて、赤(L)・緑(G)・青(B)の3色に分かれたカラーホイールを通過する。
3.カラーホイールを通過して色づいた光が、レンズ2を通過してDMDへ当たる。
4.DMDの傾きによって、投影レンズへ向けられる。

大まかに分けるとこの4つの工程によって、映像を作り出しています。

DLPチップを3つ使う構造(3チップ方式)


3チップ方式は大型のハイエンド機でない限り、家庭用プロジェクターに使用されることは基本的にありません。映画館の業務用映写機などに使われる方式です。

1.ランプが光を放つ。
2.光がプリズムによって3つに分割される。
3.分割された光が、赤(L)・緑(G)・青(B)、3つのDMDに到達する。
4.DMDの傾きによって、投影レンズへ向けられる。

大まかに分けるとこの4つの工程によって、映像を作り出しています。

家庭用のモバイルプロジェクターで人気


DLPプロジェクターはチップが非常に小さいため、1チップ方式であればプロジェクター本体を非常に小型化しやすいという特徴があります。
そのため据え置きタイプよりも、バッテリーを搭載した小型のモバイルプロジェクターに多い傾向です。

DLPプロジェクターのメリット


DLPプロジェクターのメリットは、以下のようなものが挙げられます。

長時間の連続使用や経年劣化、埃に強い

構造上、LCDプロジェクターの弱点だったこれらの点が、DLPプロジェクターの場合には問題となりません。プロジェクターを時計の代わりに使ったり、動画を見ながら眠ったりなど、長時間連続で使用する場合はDLPプロジェクターがおすすめです。

コントラストが高い

コントラストが高く、鮮明な映像を得意とします。黒は黒、というはっきりとした色合いで映像にメリハリがつきます。

DLPプロジェクターのデメリット


DLPプロジェクターのデメリットは、以下のようなものが挙げられます。

価格がLCDより高い

スペックの近い製品でも、価格帯がLCDプロジェクターを上回る場合が多いです。長時間使用の際は休憩を挟む、埃の入らない場所に収納するなどの条件が合う場合、同じ予算でもLCDプロジェクターのほうがスペックの高い製品を手に入れられる可能性があります。

人によってはレインボーノイズが見える

家庭用DLPプロジェクターのほとんどは1チップ方式で、この1チップ方式はカラーホイールの回転による目の残像効果を利用しているとお話ししました。そのため人によっては、映像が動くときに虹色の残像がちらついて見える場合があります。


LCOSプロジェクターとは

森の映像を映し出すLCOSプロジェクター

LCOSとは「Liquid Crystal On Silicon」の略で、反射型液晶プロジェクターとも呼ばれます。液晶プロジェクターLCD方式の上位版と言える方式で、本格的なホームシアターや医療現場で使用されるハイエンド機に多くなっています。日本では気軽に「エルコス」と読まれます。

LCOSプロジェクターの構造


LCOSプロジェクターは、

1.ランプが光を放つ。
2.光がダイクロックミラーという特殊な鏡に当たり、赤(L)・緑(G)・青(B)の3色に分けられる。
3.分けられた光が、PBSという部品内で調整される。
4.反射型液晶パネルに到達して跳ね返り、プリズムに集合し、合成される。

大まかに分けるとこの4つの工程によって、映像を作り出しています。

ハイエンドに楽しみたいならLCOS


LCOSプロジェクターは低価格帯のモデルがなく、基本的に高価な製品になります。100万円、200万円クラスの製品も珍しくありません。
しかしその分、スペックは総じて高く、動きを滑らかにしたり液晶焼けをある程度補正したりと、独自の機能を備えた製品も数多くあります。

LCOSプロジェクターのメリット


LCOSプロジェクターのメリットは、以下のようなものが挙げられます。

格子状の影はほぼ見えない

光を透過させるのではなく反射させるという構造の違いにより、LCDプロジェクターの稀なデメリットとして紹介した、格子状の影がほぼ見えません。

黒の表現にも強い

コントラストが高く、真っ黒の表現もしっかり叶えられます。

全体のスペックが高い

ハイエンド機に採用される構造のため、構造以外にもスペックが高く、高輝度・高画質なプロジェクターが多いです。

LCOSプロジェクターのデメリット


LCOSプロジェクターのデメリットは、以下のようなものが挙げられます。

入門機としては手が出ない

価格帯が高価なため、初めからLCOSプロジェクターを導入するのは冒険になります。高価なプロジェクターにはスピーカーやスクリーンなど、それなりのホームシアター環境が必要になってくるので、まずはもう少し手頃なLCDプロジェクターなどで始めることをおすすめします。

液晶焼けや経年劣化がないわけではない

構造に違いはあれど液晶を使用したプロジェクターのため、どんなに高価でもLCDプロジェクターと同じで、長時間使用による液晶焼けや経年劣化は存在します。

小型の機器はない

内部の部品が多くなるため、必然的に本体のサイズが大きくなります。


家庭用プロジェクターは結局どの投影方式がおすすめ?

ホームシアター

LCD、DLP、LCOSと3種類の方式について見てきましたが、結局のところどれがよいのでしょうか。簡単に振り返ってみましょう。

短時間の使用ならLCD


一回一回の使用が2~3時間程度の場合、液晶プロジェクターであるLCD方式がおすすめです。
据え置きタイプが多く、安価なものでも比較的明るさ、解像度の高いプロジェクターが手に入れやすいです。
中間色の表現が上手く、情感のある映像を楽しめます。

長時間つけっぱなしの使用ならDLP


作業中や就寝時など、プロジェクターを長時間つけっぱなしで使用する場合はDLP方式がおすすめです。
モバイルタイプの製品が多く、小型で持ち運びにも向いています。
コントラストが高く、くっきりとした鮮やかな映像が得意です。


FunLogyのおすすめLCD・DLPプロジェクター

FunLogy ロゴ

最後に、FunLogyの製品からLCD・DLP、それぞれのおすすめプロジェクターをご紹介します。

LCDプロジェクター・FunLogy HOME

小型プロジェクター FunLogy HOME


FunLogyでも入門機として人気の高い、FunLogy HOMEです。
据え置きタイプですが1.2kgとノートパソコン程度の重さのため、ちょっとした持ち運びにも対応できます。

主要スペック

製品サイズ W223×D170×H95mm
製品重量 1.2kg
明るさ 100ANSIルーメン
標準解像度 1270×720
通常販売価格 19,800円(税込)

LCDプロジェクター・FunLogy Plus2

フルHDプロジェクター FunLogy Plus2


フルHDプロジェクター
として人気の高い機種、FunLogy Plus2です。映像美を楽しむ作品などを好まれる方には、こちらがおすすめです。
ルーメン値もやや高めになっているため、完全遮光のできないお部屋でも、電気を少し暗くするだけで明るい映像が楽しめます。


主要スペック

製品サイズ W340×D250×H120mm
製品重量 2.3kg
明るさ 280ANSIルーメン
標準解像度 1920×1080
通常販売価格 24,800円(税込)

DLPプロジェクター・FunLogy X-03

モバイルプロジェクター FunLogy X-03


天井投影用プロジェクターとしてもロングヒットを続けている機種、FunLogy X-03です。レンズのついたヘッド部分は手でくるりと回転させることができ、壁にも天井にもレンズを向けることができます。
モバイルタイプのため、バッテリーも搭載。フル充電で2時間程度稼働します。

主要スペック

製品サイズ W50×D50×H192mm
製品重量 440g
明るさ 100ANSIルーメン
標準解像度 854×480
通常販売価格 39,800円(税込)

DLPプロジェクター・FunLogy Air

超短焦点プロジェクター FunLogy Air

 
据え置きタイプのDLPプロジェクターです。超短焦点レンズを搭載しているため、壁から15cmの距離でも100インチの大画面を投影できます。
時計や窓、風景といった長時間の投影で利用される方にもおすすめです。

主要スペック

製品サイズ W205×D310×H110mm
製品重量 2.7kg
明るさ 1800ANSIルーメン
標準解像度 1280×800
通常販売価格 138,000円(税込)

使い方に合ったプロジェクターを選んで、日常に大画面を


いかがでしょうか。本日はプロジェクターの投影方式についてご紹介しました。明るさ、解像度に加えて、ぜひ投影方式もチェックしてみてくださいね。

それでは、次回もよろしくお願いいたします。


FunLogy
カナ

2 コメント

コメント(2件)

[FunLogy]カナ

名無し様>
コメントありがとうございます。
ご指摘を元に内容を一部修正いたしました。DLPチップという名称についてはTI社のホームページに則り引き続き使用させていただきますが、参考になるご意見をいただき誠に感謝いたしております。
今後とも当ブログをどうぞよろしくお願いいたします。

カナ

名無しさん

DLPチップというのは間違い。Tiが液晶との違いを出すのにフルデジタルであることを謳ったので、digitalということ。あくまでも素子はDMDでシステムとしてDLPです。

名無しさん

コメントはショップにて承認後、公開されます。