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こんにちは、FunLogyのカナです。
最近のガジェットには防水性能を備えた機器が多くなってきていますね。防水性能が優れていると雨や汗にも耐えられるので、常に持ち歩くガジェットにはあると安心感が格別です。
アウトドアでの使用では、防水だけでなく、砂やごみを防ぐ防塵性能が役に立つ場面も。
この2つをまとめて【防水・防塵性能】と言います。
防水・防塵性能には国際的に定められたいくつかの基準があり、その等級は「IP●●」というコードで表記されます。
お手持ちの機器がどの等級に当てはまるものなのか、この機会にぜひ知ってみませんか?
防水・防塵性能が役立つのはどんな場面?
防水・防塵性能が必要になる場面は非常に幅広いです。
- 雨の中でも使えるスマートフォン
- お風呂に置けるスピーカー
- スポーツで汗をかいても壊れないイヤホン
などの、私たち個人の日常生活から始まって、
- 台風にも負けない駐車場のライト
- 雨風にさらされる電光掲示板
などなど、数え上げればきりがありません。
小型のガジェット(ワイヤレスイヤホンやスマートフォンなど)においては、持ち歩くという性質上、予期しない水濡れに遭う可能性が常にあります。防水性能がない機器でも、正しい手順で水没から復活 できる場合はありますが、初めから防水性能が備わっている機器を使用していれば、「壊れたかもしれない」と焦る必要もありません。
また、キャンプなどのアウトドアシーンでは、砂や埃の侵入を防げると、機器の安全性がさらに高まります。
テーブルのない場所で地面に直接置いて使用する際や、DIYの作業場などの木くずや埃が出やすい環境で使用する際は、防塵性能も視野に入れると良いでしょう。
防水・防塵性能の等級「IP」
防水・防塵性能は「IP●●」という記載で表されます。●●の部分には数字、またはXが入り、一つ目が防塵の等級を、二つ目が防水の等級を示しています。
防水には0~8、防塵には0~6の等級があり、前半のイメージとしては数字が大きくなるほど性能が良いと思っていいですが、厳密には段階ではなく個別になっており、後半になるほど段階ではなくなるので、正しく知りたいときには注意が必要です。
製品が防水・防塵性能のどちらか片方しか持たない場合には、もう片方の数字をXと表記します。
【例】IPX7(防水性能の等級は7、防塵性能はなし)
この統一規格は、国際電気標準会議 (International Electrotechnical Commission)によって2003年に定められました。
測定方法、基準などが世界共通のため、メーカーによる性能の違いがなく、購入者にとって非常に分かりやすい規格になっています。
等級ごとの防水・防塵性能
それでは、実際に防水・防塵の等級が、それぞれの数字でどういった基準を持つ製品を示しているのか、ご紹介します。
防水性能(保護の程度・テスト方法)
- IPX0(保護なし・テストなし)
- IPX1(垂直に落ちてくる水滴によって有害な影響を受けない・200mmの高さより3〜5mm/分の水滴、10分)
- IPX2(垂直より左右15°以内からの降雨によって有害な影響を受けない・200mmの高さより15°の範囲で3〜5mm/分の水滴、10分)
- IPX3(垂直より左右60°以内からの降雨によって有害な影響を受けない・200mmの高さより60°の範囲で10リットル/分の放水、10分)
- IPX4(いかなる方向からの水の飛沫によっても有害な影響を受けない・300〜500mmの高さより全方向に10リットル/分の放水、10分)
- IPX5(いかなる方向からの水の直接噴流によっても有害な影響を受けない・3mの距離から全方向に12.5リットル/分、30kpaの噴流水3分間)
- IPX6(いかなる方向からの水の強い直接噴流によっても有害な影響を受けない・3mの距離から全方向に100リットル/分、100kpaの噴流水、3分間)
- IPX7(規程の圧力、時間で水中に沒しても水が浸入しない・水面下15㎝〜1m、30分間)
- IPX8(水面下での使用が可能・メーカーと機器の使用者間の取り決めによる)
※8のみメーカー、製品によってテスト方法などが異なります。
防塵性能(保護の程度・テスト方法)
- IP0X(保護なし・テストなし)
- IP1X(手の接近からの保護・直径50mm以上の固形物体(手など)が内部に侵入しない)
- IP2X(指の接近からの保護・直径12mm以上の固形物体(指など)が内部に侵入しない)
- IP3X(工具の先端からの保護・直径2.5mm以上の工具先端や固形物体が内部に侵入しない)
- IP4X(ワイヤーなどからの保護・直径1.0mm以上のワイヤーや固形物体が内部に侵入しない)
- IP5X(粉塵からの保護・機器の正常な作動に支障を来したり、安全を損なう量の粉塵が内部に侵入しない)
- IP6X(完全な防塵構造・粉塵の侵入が完全に防護されている)
実際の使用時のイメージは?
これだけ聞いても、いまいち「実際に使うときに必要なのはどれくらい?」というイメージが湧きにくいと思います。
代表的な例を挙げつつ、もう少し噛み砕いてご紹介します。
ランニングに使うイヤホンが欲しい
防水性能IPX4以上を選びましょう。運動時には汗をかくことがあり、汗はイヤホンの全方向からかかります。
お風呂で使えるスピーカーが欲しい
防水性能IPX7以上を選びましょう。浴槽内に落としてしまったときも、問題ありません。
外で使えるスピーカーが欲しい
雨や水に濡れる可能性があるというだけなら、防水性能IPX7の製品であれば問題ありません。
土や砂、埃が入り込む場所で使用する場合は、防塵性能IP5X以上を兼ね備えた「IP57」などの製品がおすすめです。
防水・防塵性能の注意点
防水・防塵性能があると、製品を使用できるシーンが大きく広がります。ただし、等級を正しく理解していないと、使い方を誤ってしまう原因にもなります。
見落としやすい注意点を、いくつかまとめてご紹介します。
等級が大きいから何でも大丈夫とは限らない
IPコードが表す数字は、大きいほうがより規模の大きな環境に対応していると思って間違いではありませんが、厳密には段階ではなく個別になっています。
分かりやすく言うと、「IPX7の製品を買ったからと言って、IPX5に挙げられるような噴流に耐えられるとは限らない」ということです。水没しても問題はないが、ホースの水で丸洗いされることは想定していない、などの場合がこれに当てはまります。
どちらにも対応できることを示す場合には、「IPX5/IPX7」などと併記することがあります。使用目的がはっきりしている場合には、自分の求める等級が明記されているかどうか、事前に確認しましょう。
海やプールの水は想定されていない
海水は塩分を含みます。同じように、プールの水も塩素を含んでいます。このような成分は、防水性能を測定するテストの水には含まれていません。
そのため成分が内部で固まるなどして、故障の原因になる可能性があります。水道水以外の水に触れる環境で使用する際は、事前にその製品が海やプールといった環境を想定しているかどうか、確認してから購入しましょう。
防水性能IPX8は統一規格ではない
防水性能についての紹介でも軽く触れましたが、最上級の8だけはテスト方法・基準が統一されていません。
大きく言い表せば「水中で使用できる」ことが条件となりますが、具体的にどういう状況で、どれくらいの深さで、どれくらいの時間内で、などといった条件はメーカーや製品によって異なります。
防水・防塵ガジェットで楽しい時間をいつもそばに
いかがでしたでしょうか。防水・防塵性能を備えたガジェットが身近になっている今、IP等級を知っておくことは、自分の使用目的に合った製品を選ぶ上で大切なポイントになりつつあります。
細かな基準は忘れてしまっても「防水 IP」などと検索すれば、すぐに調べることができます。日頃は「IP等級というものがある」ことと「個別の等級である」ことを、頭の片隅に覚えておいていただくくらいで良いのではないかと思います。
防水・防塵性能を知って、大切なガジェットをもっと身近に、そして末永く使っていけたら嬉しいですね。
それでは、次回もどうぞよろしくお願いします。
FunLogy
カナ