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こんにちは、『金曜ホームシアター』、ライターのカナです。このコラムでは私が独断と偏見で選んだ映画や皆様におすすめしていただいた映画を、FunLogyの製品と共に鑑賞、ゆるくレポートしていきます。
第3回の映画は『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』。
(動画と画像は公式ダイジェストより:以下同)
超がいくつついても足りないほど有名な作品だということは認識していたものの、これまで意外とエヴァンゲリオンを熱く推してくれる人との出会いがなかったこともあり、触れたことがなかったのですが、
社長「シンエヴァのチケット取らなきゃ」
いた。
というわけで、今回の推薦人は弊社の社長です。とりあえず序を観るべしと薦めてもらいました。
前知識としては本当に「あなたは死なないわ、私が守るもの」と「あんたバカァ?」しかありません。これはこれで結構レアなんじゃないかと思います。新鮮な悲鳴をお楽しみいただければ幸いです。
このロボットがエヴァなのかな(本当にそこから)ビジュアルからして変形するんだろうなという予感がしますね。
有名すぎる作品を前にして、敬意を払ってこちらも変形するか……という気持ちになってきたので、今回はこのプロジェクターに決めました。
使用した機器:FunLogy X-03
手持ちの中で一番使徒っぽい写真を選びました。
観てから知ったけど敵でした。
それでは、さっそく鑑賞の感想にいってみたいと思います。
そもそも『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』とは?
1995年から1996年にかけて放送されたアニメ版と、1994年から2013年にかけて連載された漫画版『新世紀エヴァンゲリオン』のリビルド(再構築)作品シリーズ『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』の第1作目。公開は2007年。全4部作、2021年3月12日現在、4作目にあたる『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』が公開中。
はじめに
『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』を一言でいうなら?
「とりあえず今は『破』観てる」です。これをリアルタイムで一作ずつ最新作の公開まで待ってた人たち偉すぎる。
『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』感想―序盤
冒頭3分でもう街がボコボコじゃないですか。
蝉が鳴いてる、夏なのかな……から破壊までがスピーディーすぎて、目が点になりました。でも確かに蝉が鳴いている街は一見のどかなのかと見せかけて、建物や海の状態が最初から普通ではなかったですね。
機能している部分と打ち捨てられた部分ができてしまっている感じ。
そんな中で主人公のシンジくん登場。これが有名なシンジくんか……! 率直な感想としては、想像より遥かに「普通の中学生」でした。しかも、その中でもかなり内向的なほうの。
エヴァンゲリオンに乗る役目に選ばれて、世界のために戦うくらいなので、積極的にしても消極的にしても、もっとはっきりした性格を想像していたのですが……な、なんか思ったよりグチグチしている……!
ミサトさんに対しても、使徒に対しても、どこか「自分には関係ない」と、自分とその他を線引きしているような。「関係ない」というより「考えても仕方ない」と諦めているようにも見受けられます。でもそうかと思うと、お父さんを前にして、再会を割り切れていない表情も見せる。
この諦めきっているわけでもない、けれど自分の周りで起こっていることに無関心、というアンバランスさが、すごく難しい性格をしているようでいて、とても現実的だなと思いました。
本当に、どこにでもいそう。何なら誰の中にも、シンジくんはいたり、かつていた時期があったりしそう。だってこれ、いわゆる反抗期ですよね。
シンジくんの性格が生々しいからでしょうか。ストーリーはヒューマンドラマに慣れた脳を容赦なくパンパンにしてくる難しい単語と共にどんどん進みますが、エヴァが登場する頃にはもう、使徒もエヴァもネルフも「この世界の常識」として没入感を持っていて、初見でもまったく置いていかれることはなく、迫りくる初陣の緊迫感を味わえました。
『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』感想―中盤
いやハプニングするのシンジくんなの?
すみませんてっきりミサトさんの役割だとばかり思っていたので、シンジくんが先にサービスカットを出されるとは思っていなくて笑いました。ペンペン……
なんだかでも、その不憫さも余計に普通の子どもらしくて、つい数分前までのエヴァンゲリオンの操縦シーンがまだ嘘のようです。
あれは夢だったんじゃないか、本当はミサトさんの車で逃げる途中に意識を失って、たった今目が覚めたばかりなんじゃないか?
自分がシンジくんだったらそう思ってしまいそうなくらい、このシーンは戦争とのギャップを感じる部分でしたね。ミサトさんは食生活ダメダメ系お姉さんだったんだな……
でもやはりシンジくんが一人になるシーンがくると、思い出すのはエヴァのことやレイのことですね。あんな状態の同年代の女の子を見せられて、自分が乗らなければこの子が……って残酷だなあと。
あんなの乗るしかなかったじゃないですか。乗りたかったわけじゃない、というのが事実ですよね。
決断する時間を十分に与えられないまま、流れに押されるようにして「普通の中学生」が「初号機のパイロット」になっていく様は、大人って怖いな! という気持ちと、すごいリアルだな! という気持ちで、うまく言えませんが胸の辺りがねじれそうになりました。なにこれキツイ。こういう気持ちを凝縮したものを、ミサトさんあたりは味わっていそうな気がしますけれど。
コミック版と映画版
アンテナが向くと不思議な出来事に恵まれるもので、仕事の帰り、用あって出向いた知人の店で、なんとコミック版の新世紀エヴァンゲリオンに出会いました。『序』を観終わった旨を話したところ、ヤシマ作戦の終わりまで見てごらんよと、3巻までを貸してもらうことができました。
元々気質がオタクなので、「先にアニメとコミックがあったんだよ」などと言われると、気になって仕方がなく。「内容も結構違うよ」とそそのかされるままに、ありがたく読みました。
所感としては、
・『序』についてはほぼコミックと同じ(『破』以降は結構違うと聞いて、それはそれで楽しみ)
・シンジくんがネルフに残る決断をする前後は、コミック版のほうが分かりやすかった
・ペンペンに泣かされると思わなかった
・映画版よりレイの台詞が多いかな? そのおかげなのか、映画よりほんの少し気の強そうな印象だった
といったところでした。
ミサトさんのルノーのローンの回数も違った? あれ? 聞き間違いでしょうか。
他にも細かな部分で所々に違いがあり、これが「リビルド(再構築)」かあ、と面白かったです。同じシーン、同じ結果でも、映画とは違う人が決断をしていたり、映画とは違う反応を示していたり。パラレルワールドっぽいですね。
『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』シリーズから入っているというのは、順序としては逆なのかもしれないですが、シリーズが観終わったらコミック版も最後まで見てみたいなと思いました。
映画よりも強くバブルの名残を感じる……主にミサトさんに。
『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』感想―終盤
ヤシマ作戦ってエヴァンゲリオンが元だったんですね。私がこの言葉を知ったのは、十年前の東日本大震災のときです。SNS上で計画停電への賛同を呼びかける声の中に、ヤシマ作戦という言葉が見えたのを覚えています。
当時も確か元ネタがエヴァンゲリオンだということは学んだと思いますが、知らない作品だったのと、被災地とまでは呼べませんがそれなりに影響を受けた地域に住んでいたせいで、日常が慌ただしかったのが重なって、作品名はあまりはっきりと記憶に留まりませんでした。
でもあのとき、「『ヤシマ作戦』だよ」というたったの5文字で、こんなにも多くの人に、かつて経験のない不便を「よしやろうか!」と受け入れさせる作品がある。それはすごいことだと感じていました。
十年の節目にたまたまこうしてその作品がエヴァンゲリオンであることを知り、改めてその存在の大きさを思い返して、実感しています。
シンジくんは最後までエヴァに乗りたかったわけではないと思いますが、「乗ったからには役目を果たす」、そういう意識の発露は感じました。皮肉だなと思ったのは、それがおそらくレイの存在によって目覚めさせられたものだということです。
大人ではだめなんですよね。どんなにシンジくんの家族になっても、ミサトさんだけではできなかったことだと思います。シンジくんの感情を最後に動かすのは、あくまでも同年代の、同じパイロットであるレイなんでしょうね。
今回のおやつ
ちらっと見かけた画像ほどディストピア飯ではなかった……これからですか?
総括
公開当時、映像が画期的に美しかったと聞きましたが、今見てもまるでつい最近作られたかのようでした。14年前……? 夏の自然光の眩しさと、操作パネルなどのメカニカルな光の鋭さがまったく違って、あの世界の日常と戦争、シンジくんの中学生とパイロットというギャップを際立たせていたように感じます。
アスカのことを勝手にシンジくんの幼馴染だと思っていたのですが、全然違いそうですね。なんでそんな誤解をしていたのでしょう、朝文句を言いながら起こしてくれそうな感じがしたからでしょうか。
『序』を観終わって5分後には気が付いたら『破』を観ていたのですが、あんなに出てきてすぐバカァ? されるとは思ってもみませんでした。出会いのインパクトがすごい。そして戦い方かっこいい。
昨夜はその辺りで夜更かしの限界が訪れたので、今夜続きを観るのが楽しみです。幸いまだなんのネタバレにも触れていないので、このまま劇場で最新作のシン・エヴァを観るまで駆け抜けたいところ。
私のように「気にはなっていたけれど観る機会を逃してきたな」という方は、劇場版を入り口にしてみるのもいいかもしれません。もちろん、アニメとコミックを知っていればより楽しめるのだとは思いますが、二つを知らなくても、ゼロから楽しめると思います。
おわりに
第3回にお付き合いいただきありがとうございました。金曜ホームシアターは毎月2~3回、金曜日の更新を予定しています。まだ観たことのない映画との出会いにも期待していますので、「こんな映画があるよ」「これが好きならこっちはどう?」など、ぜひこのブログのコメントでおすすめを紹介していただけますと嬉しいです。
ホラーにはめっぽう弱いので、ホラー以外でお願いします。実写の場合は血もちょっと控えめのほうが。
鑑賞は先着順ではなく気になったものから、なおかつAmazonプライムビデオで観られそうなものが優先になると思いますが、配信では出会えない名作のおすすめもお待ちしております!
それでは、次回もどうぞよろしくお願いします。
今日は、もっとたのしくできる。
FunLogy カナ
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