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こんにちは、FunLogyの山川です。

前回の記事【TWSとは?ワイヤレスイヤホンや2台のスピーカーで音楽をステレオ再生しよう】はお楽しみいただけましたでしょうか?
スピーカーに関してお話しさせていただくのも、この記事で11本目になります。
そろそろ、購入したい機器が決まってきた方もいらっしゃるかもしれませんね。
 
購入したいオーディオ機器が決定したら、次に必要となるのが機器を接続するためのケーブルです。
 
設置するオーディオに対応しているケーブルや端子はどのような機能や特徴があるのか、またケーブルによってどのように音質に変化があるのかなどが気になる点だと思います。
 
今回は、ARC、AUX、光ケーブルといったオーディオ機器に接続するケーブルの種類と、その特徴や音質に変化があるかどうかという点について説明します。
ポータブルスピーカー FunLogy Portable

 

ARC規格とは

 

ARCとは、オーディオ・リターン・チャンネル (Audio Return Channel)の略で、 ARCに対応している機器同士であれば、HDMIケーブル1本でつなぐだけで、双方のデジタル音声を楽しむことができます。
 
従来のHDMIはテレビとレコーダーやゲーム機を繋いで音声をテレビだけで再生するといった一方向だけのものでした。ここにオーディオ機器を接続するためにはテレビの光デジタル出力からの接続が必要で、ケーブルが増え、接続が煩雑になっていました。


ARC規格の特徴

ARC対応のテレビとオーディオ機器をHDMIケーブルで接続すると、テレビの音声信号をHDMIケーブルがオーディオ機器へ送信する。
ARC規格のケーブルでは、一方的だった信号を双方向にすることで、テレビからの音声信号をオーディオ機器へ返す(return)ことができるようになりました。

ARC規格の機能を利用するためには、テレビ側とオーディオ側の両方ともがARC対応のHDMI端子を搭載していなければなりません。しかし現在多くの機器がARC規格に対応しており、これによって映像と対になった音声がオーディオへ伝送できるようになりました。

しかしこのARC規格の伝送は光デジタルの置き換えという扱いのため、伝送できるのは最高192kHz/24bitのLPCMまで、もしくは5.1chまでのフォーマットに限られます。

近年普及している3Dサラウンドフォーマットである「Dolby Atmos」などを伝送できないという注意点があります。


さらに高性能のeARC


今まではDolby Atmosのような3Dサラウンドをテレビで再生する機会が少なく、こうしたフォーマットに対応したケーブルはあまり需要が高くありませんでした。

ところが、ネット配信サービスの「Netflix」がこれらの3Dサラウンドフォーマットに対応した配信を始め、テレビにもこうしたネット配信サービスが標準で観られるようになってきました。

こうした需要から高性能なARC規格が求められるようになり誕生したのが「eARC」という規格です。

eARCは「Enhanced Audio Return Channel」の略で、従来のARCに加えて Ethernetチャンネルを利用して伝送を拡張することでより高品質な音声を実現しています。

eARC規格による音声を再生するためには、テレビとオーディオの両方がeARCに対応している必要があるので、スペック表や端子の文字を確認しておきましょう。


光デジタルケーブルとは


オーディオ機器からの信号をデジタルに変換して、光通信で他のオーディオへ転送するためのケーブルが光デジタルケーブルです。

光デジタルケーブルには、大きく分けて「光角型プラグ」「光ミニプラグ」の2種類が普及しています。それぞれどのような特徴を持っているのか説明します。


光角形プラグの特徴

光ケーブルの主流である光角形ケーブル
主流はこちらです。
端子の先が四角になっている光ケーブルが、光角形プラグです。

大きい規格のオーディオや、ゲーム、パソコンなどに採用されている場合が多く「S/PDIF(Sony/Philips Digital Interface Format)」と呼ばれる仕様で、それぞれ入力と出力は別のケーブルが必要です。


光ミニプラグの特徴

アナログのミニプラグと同じ形の光ケーブルが、光ミニケーブルです。CDプレーヤーなどの小型のオーディオプレーヤーに搭載される場合が多く、アナログのミニプラグと兼用になっている可能性が高いです。



光ケーブル端子の特徴

光ケーブルは角形プラグもミニプラグも伝送信号が同じなので、端子の形が異なっていても変換コネクタを使用すれば簡単に接続できます。

例えば、デジタル接続のために購入した光ケーブルが光ミニプラグだったものの接続したいオーディオが光角形プラグだった時には、わざわざケーブルを買い直す必要はなく変換コネクタだけを購入すれば良いことになります。

また光ケーブルはデジタル信号なので、コネクタによる変換をしても音が劣化しにくいのが特徴です。その点でもコネクタを利用するメリットは高いですね。



AUXとは

AUXケーブルの端子
AUXとは「Auxiliary」の略で、「補助の」「予備の」などの意味があります。そのためAUX端子には「補助端子」「予備端子」といった意味があります。
読み方は「エーユーエックス」と読む人が多く、他には「オークス」「オキジャリ」などと呼ばれることもあります。

ではどのような点が補助端子、予備端子という役割を持っているのかAUX端子について詳しく説明します。


AUX端子の役割

AUX端子が搭載されたオーディオ機器
AUX端子が搭載されているオーディオの例として、カーオーディオを挙げます。基本的にはカーオーディオが再生する音楽やラジオなどは、カーオーディオ内に搭載されたHDDやCDなどから再生します。

AUX端子のあるカーオーディオは、これに加えてスマホや音楽プレイヤーなどの外部機器を接続することができ、その外部機器に保存された音源を再生することができます。

このような役割が「補助的」「予備的」であることから、AUX端子と呼ばれます。



AUXと似た端子


スマホや音楽プレイヤーにはAUX端子と同じような端子がありますが、こちらはプレーヤーの音源を聴くためのメイン端子になるので「補助的」な役割であるAUXとは異なります。

AUX端子とは本来の再生機能に加えて、補助的に外部機器と接続できるという観点で判断するのが良いでしょう。


AUX端子の特徴


AUX端子の特徴として、AUX端子に接続される信号は一方通行で流れるため一方向ずつ端子が存在するという点です。

具体的には、AUX IN端子とAUX OUT端子の二つがあります。

AUX IN端子は先ほど例に挙げたカーオーディオのように、外部機器からの音声信号を取り入れるための端子です。

逆にAUX OUT端子はオーディオなどからの音声信号を送り出すためのもので、主にイヤホンやヘッドホンなどを繋いで聞くために設けられています。


AUX端子の種類


AUXは大きさと極の数によっていくつかの種類に分かれます。AUXに挿すプラグには、マイクロ、ミニ、標準のサイズがあります。構造は二極から五極までのものがあります。

AUXのサイズは見た目で判断しやすく、プラグがジャックに入れば適合していることがわかります。しかし、AUXの問題点はこのサイズが適合していても、極の数によって構造が異なっているため最適な接続になっているかどうかの判断ができない点です。

この極というものは、ジャックの先端を見ることで判断できます。これは二極プラグなら先端の線が1本、三極プラグなら先端の線が2本といったように線の数プラス1が極数の信号を区別するための方法になります。

二極プラグはアナログ、三極プラグはステレオという点だけに注意すれば問題ありません。四極以上ではマイク用の規格が用意されていたり映像伝送用の規格が用意されていたりします。四極以上のプラグでは用途が様々なので、説明書などを読んで用途に合ったものを選ぶようにしましょう。

基本的には三極プラグのものが使用され、ステレオ信号を伝送することができればAUXの用途として問題ありません。



適したケーブルを選んで豊かなオーディオライフを

テーブルの上のFunLogy Portable
いかがでしたか?オーディオ機器に接続するためのケーブルについて理解できたと思います。
それぞれの規格や種類によって機能が異なり、音質にも影響を与えるので、鑑賞のために必要なスペックと適合するケーブルを選んでオーディオの性能を最大限に発揮させましょう。
山川

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▼次回
エイジングはスピーカーに必要?効果と方法、音源についても紹介
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